古代史を語る

古代史の全てがわかるかもしれない専門ブログ

余談

「病を称する」ということ

病を称する、というのは昔から政治家が何か事情があって引っ込む際の理由付けとして、史書などによく書かれてある。 喩えばあなたは五十代の会社員であるとする。誰でもそのくらいの年齢になれば持病らしいことの一つや二つは多少なりともある。あなたもかか…

「卑弥呼の鏡」は鉄製か――佐賀新聞の報道から

日本や中国では、利器の主役が鉄に移ってからも、鏡は銅で作るものだった。しかし三国時代、大陸では、主要な銅の産地は呉が領有したため、魏では銅材が不足し、鉄の鏡が作られたとされる。 佐賀新聞は一月三日付で、『卑弥呼の鏡「可能性高い」大分・日田で…

カクヨムにて歴史小説『張政と姫氏王』を連載中

小説投稿サイト「カクヨム」にて歴史小説『張政と姫氏王』を連載しています。時は景初二年の秋、公孫淵が司馬懿に敗北した事で魏王朝に回収された帯方郡。郡の若手役人で倭人との交渉に従事する張政は、魏から派遣された新太守の劉昕に呼び出され、直々に一…

プロレスリングの歴史と経済 ~体力/試合数*期待値~

1896年、第一回近代オリンピックがアテネで開かれ、その中でグレコローマン・スタイルのレスリングが行われたのが、いわゆるアマチュア・レスリングの始まりとされる。フリースタイルは1904年のセントルイス大会で導入された。当初のアマレスのルールは、当…

「聖徳太子」という呼称について

数日前のことになるが、いわゆる「聖徳太子」について、学習指導要領の改訂案で表記を変更することになり云々、ということが新聞記事になっているのを目にした(聖徳太子、教科書で表記変更は妥当? 国会で論戦に:朝日新聞デジタル)。聖徳太子、という一般…

本当は由緒正しい「二つ折り型スマートフォン」の歴史概説 

二つ折り型の携帯電話機と言えば、1999年、iモードのサービス開始とともに登場した、と書くと多くの人は納得してしまうかもしれない。しかし実際にはこの形状を採用した機種はそれより前にすでに存在していた。ここで言う「二つ折り型」とは、開いた時に上…

一字の考察「餅」

「餅《へい》」という漢字を日本では「モチ」に当てている。おモチは米を粒のまま搗いて作るから、穀物の粒食の一種と言える。ところが現代中国語の餅《ビン》は麺粉《こむぎこ》を捏ねて作るものを指す。これは昔からそうで、後漢の劉熙が編んだ《釈名》に …