天武天皇評伝(二十五) 権力と身分

皇族と内外の貴族の身分をどう秩序付けるかということは、その治世を通じて、天武天皇が最も意を用いたことであったろう。この気遣わしい作業を進めるために、第一に注意しなければならないのは、壬申の年の勝利に貢献した功臣たちの処遇だった。功績ある者にはそれなりに報いなければならないが、それによって大を成させ…