天武天皇評伝(二十二) 壬申の乱・四

軍を率いて美濃国を出、近江国に攻め入った村国連男依《むらくにのむらじをより》らは、七月七日、国境の西息長《おきなが》で大友方の軍と戦ってこれを破り、その将軍境部連薬《さかひべのむらじくすり》を斬った。大海人皇子《おほしあまのみこ》は野上《のがみ》の行宮《かりみや》で捷報を待っている。それから琵琶湖…