日本書紀の“革命思想”

天武天皇が即位した頃(673)、唐は高宗の咸亨年間で、実権は武皇后の手にあった。隋唐統一の安定期は、安史の乱が玄宗の天宝十四年(755)に起きているから、その巨大な印象に反して余り長くない。だがこの頃は、政界の確執はともかく、内政はわりあい平穏で、繁栄を讃えられる開元の治を準備した。天武天皇としては、か…