天武天皇評伝(二十四) まだ見ぬ都城への道のり

天武天皇の脳裡には、即位の当初から、本格的な都城の建設という構想があったに違いない。しかし天武天皇は急がない。そもそも都城は何のために必要か。それは見栄や満足のためではない。都城は法制度の容器である。法典の編纂は、すでに先代において近江令があったとはいえ、それがどのくらい効果的に用いられたかは疑わ…