天武天皇評伝(十八) 大友皇子と大海人皇子

天智天皇が死に瀕していた十一月二日、唐から法師道久《だうく》や筑紫君薩野馬《つくしのきみさちやま》ら四人が対馬国司《つしまのくにのみこともち》のもとへ来着した。道久はおそらく前の遣唐使の一員として渡った僧侶。薩野馬は百済への出兵に従って捕虜になっていたもので、他の二人も同じであるらしい。道久らが語…