天武天皇評伝(十七) 希なる改革者の最期

天智天皇は、従来の慣習を破って、大友《おほとも》皇子に皇位を継承させる形を作ろうとしてきた。これに大海人《おほしあま》皇子は反対のはずである。しかし、兄弟の間に感情的なしこりがあるとはいえ、基本的には理想を共有している二人でもある。相続法を父子直系式に変えることと、王族の近親婚を減らしていくという…