古代史を語る

古代史の全てがわかるかもしれない専門ブログ

補説

稲荷山古墳出土鉄剣銘文の問題点

銘文の概要 1968年、埼玉県にある稲荷山古墳前方部の発掘調査が行われ、発見された出土品の中にこの鉄剣はあった。刀身には錆と木製の鞘が膠着しており、当初は銘文が刻まれていることは知られなかった。1978年、出土品の錆が進んで、保存処理をするために、…

「証拠があるからこの主張は正しい」というものではないという話

「ネコとナマコは似ている」という論 ある人が「ネコとナマコは似ている」という論を立てた。理屈はこう。ネコもナマコも前に口、後に尻があり、基本的な構造は円筒形で、口で食べて尻で排泄をする。こんなに共通点があるのだからネコとナマコは似ているのだ…

後宮についての雑記

皇位継承の安定性と後宮制度 天武天皇の後継者が百年ほどでほとんど絶えてしまった原因の一つは、産児の少なさにあり、これは後宮の制度が実際的に確立していなかったことに起因する所があるようだ。もっとも天武天皇自身は、十人の女性との間に十男七女を産…

歴史と人物の理解と評価

《万葉集》巻十九に収められている、 皇《おほきみ》者《は》 神《かみ》尓《に》之《し》座《ませ》者《ば》 赤《あか》駒《ごま》之《の》 腹《はら》婆《ば》布《ふ》田《た》為《ゐ》乎《を》 京師《みやこ》跡《と》奈《な》之《し》都《つ》 大《おほ…

「大王」なる称号は本当にあったのか――ついでに天皇号の由来について

日本古代史の概説書などを読むと、天皇号の前身として“大王”号が使われていた、ということがしばしば書いてある。しかしなぜそう言えるのか、考えてみるとよく分からない。 “大王”という字は確かに日本の古い史料に出てくる。その意味では証拠のあることなの…